2013年7月30日火曜日

量産型スピナー(赤外線コントロール2輪ラジコン)_機構部

量産型スピナー(赤外線コントロール2輪ラジコン)_機構部


<機構部解説>


1.部品一覧



 <加工>


●車台

車台を中心として、ギヤボックス、電池ボックスと基板を固定します。加工にはiModelaを使用するので、iModelaの加工範囲(86×55[mm])に収まる大きさで設計します。
加工は、車台外形の切り出しと、ネジ穴開けになります。ネジはM3を使用するため、ネジを切る穴は下穴として、φ2.5[mm]、ねじ切りしない穴はφ3.0[mm]で穴あけします。



車台設計図

車台設計図から、iModela Creatorに設定していきます。iModela Ceatorでは、左下を原点として設定していくので、上記の車台設計図もそれに合わせて原点を左下に設定しています。
iModela Creator窓の左下にある、“サイズ”は、iModelaの最大加工範囲のW=86[mm]、
L=55[mm]に設定します。厚みはT=3.0[mm]とします。(使用するアクリル板はW=90[mm]、L=60[mm]と一回り大きく切り出したものを使用します)

iModela Creatorのデータはこちら: http://p.tl/p4Qx



iModela Creatorでの切削データの設定

データ設定が完了したら切削に入ります。

切削工具は、ルータの刃物径1.0[mm]で、刃物長が3.0[mm]以上(アクリルの厚みを切り抜くのに必要な長さ)のものを使用します。今回の加工では、iModelaのスピンドルシャフトを交換して、シャンク径(切削工具の固定部分の直径)が3.175[mm]のものを使っています。(シャンク径3.175[mm]の切削工具はプリント基板の切削に使用されています。私の場合は主にプリント基板加工に使用しているため、このスピンドルシャフトに合う工具を使用しています)

iModela Creatorで、切削工具の設定と切削条件の設定を行います。この設定は記憶されないようで、ファイルを読み込む毎に設定し直す必要があります。


iModela Creatorでの切削条件の設定

これらの設定を行ったら、iModelaにアクリル板を固定して切削します。
切削結果が次の写真です。写真で赤線で囲んだ部分が、設計図にある穴です。その他の穴は、試作検討のために開けた穴で不要です。


車台切削完了

ギヤボックス固定には、さら子ネジを使用します。ネジの皿部分がアクリル板にはまるように、φ6.0[mm]のドリルで深さ2.0[mm]程度ザグリを入れておきます。車台の片方にギヤボックスを固定して、反対面に電池ボックスを固定します。この時、電池ボックスの下に、ギヤボックスを固定するネジの頭が来るので、ネジの頭が飛び出ないことを確認しておきます。

● ギヤボックスの組立て

ギヤボックスの取扱説明書にしたがって組み立てます。ギヤ比は114.7:1を選択します。ギヤ比によって、動きに変化が出ます。これは車軸の回転速度とトルクの関係が変わるためです。(ギヤ比を変えてみて動作の違いを確かめてみると色々学べると思います)

●車輪の作成

車輪はCDを使用します。車軸との接続はプーリーで行い、CDとプーリーの中心が合うように固定します。CDのレーベル面に予めプリンタで印刷しておくと良いでしょう。

 CDレーベル面への印刷

CDとプーリーは、プーリーに付属している軸径2.0[mm]のネジとナットを使い固定します。このネジ穴を開ける必要があります。プーリーは直径50[mm]プーリーを使います。プーリーの軸に差し込むブッシュは、S(シングルブッシュ)を使用します。
CDへ開けるネジ穴の位置は、次の設計図の通りです。この穴あけ加工は手作業で行いました。(iModelaにはCDが大きすぎて加工できません)



 CD加工設計図


CDとプーリーをネジ固定している様子が次の写真になります。ネジの軸が長いので、車軸へ組み付けたときに、車台に引っかからないところで切断します。


CDとプーリーのネジ止め

 ● 車台へのギヤボックスと電池ボックスの組み付け

車台を中心にして、片方にギヤボックス、反対側に電池ボックスをネジ止めします。



電池ボックス-車台-ギヤボックス の位置関係(側面)



電池ボックス-車台-ギヤボックス の位置関係(底面)

まず、さら小ねじの頭を埋め込むためのザグリをいれた面から、ネジを通して、車台を抱き込むようにギヤボックスをナットで固定します。(下の写真ではすでに電池ボックスが固定されています)





次に、車台の反対側に電池ボックス側から車台にネジ止めします。電池ボックスのネジ穴の位置では、ネジ頭が電池ボックスの側面に当たるため、この部分を削り落としておきます。また、皿小ねじを使うため、φ6.0[mm]のドリルで、電池ボックスのネジ穴部分にザグリを入れておきます。これは、電池を差し込んだときに、ネジ頭が接触しないようにするためです。





次に車台の4隅に、長さ50[mm]のネジを電池ボックス側から差し込みます。このネジはギヤボックス側にプリント基板を固定するために使用します。
プリント基板は、ネジの途中で固定するため、ナット2個を使ってプリント基板を固定する位置を決められるようにします。



これで機構部の組立ては完了です。












2013年7月28日日曜日

量産型スピナー(赤外線コントロール2輪ラジコン)_概要

量産型スピナー(赤外線コントロール2輪ラジコン)_概要

<概要>

CDを車輪にした2輪ラジコンです。

(youtubeリンク:http://p.tl/I_Av)





上面



前方



側面

IRCヘリコプター”SWIFT”のプロポを流用し、mbedで赤外線データ受信とモータの制御を行っています。
Propoを流用するためには、送信されてくる信号の解析が必要です。これは、このブログの過去の記事で解説しています。mbedのライブラリにこのPropoからのデータ受信と解析を行うライブラリを作成してあります。(http://p.tl/uvkM)



IRC Helicopter と Propo

車台には3[mm]厚のアクリル板を使用しています。加工にはiModelaと設計ツールのiModela Creatorを使用してます。外形の切り出しと穴あけ加工を行っています。車台には、ギヤボックスと電池ボックスをそれぞれ2本のネジで止めています。このネジ穴開けの精度が悪いと、ネジ止めできなくなりますが、iModelaで0.1[mm]精度で加工できるので、手作業では望めない精度での加工が可能です。
ネジのタップ立ては手作業で行います。このため、下穴をiModelaで開け、タッピングを行います。
このほかに、車台の4隅に穴を開けています。ここには、長さ50[mm]のネジを固定して、プリント基板を保持するようにしています。
写真にはそれ以外の穴が開いていますが、試作時に車台のバランス保持用に開けたもので、最終的には使用しません(穴あけする必要はありません)


車台

 プリント基板もiModelaで加工します。回路図、基板レイアウトは回路図CADのEAGLEで行い、iModela切削用データ作成にWINSTAR PCB for iModelaを使用しています。基板加工の方法については書籍(http://p.tl/VT-M)を参照してください。




プリント基板(半田面)


 mbedで、Propoからの赤外線受信・解析とモータの制御を行っています。
iModelaの加工範囲はキャッシュカードサイズ(86×55[mm])でmbedがギリギリ搭載できるサイズになります。



プリント基板(部品実装済)