スピナー (2輪ラジコン)
(https://sites.google.com/site/suupen11spinner/ より転載)0. 概要
10年ほど前から1万円以下で購入できる電動飛行機が出てきました。双発プロペラの飛行機では、左右のプロペラの回転数を変えることによって直進・旋回を制御しています。写真0-1
遊んでいるうちにプロペラや機体を破損して使えなくなったので、飛行機の部品を利用して2輪ラジコン「スピナー」を作りました。写真0-2~0-5
写真0-1 ラジコン電動双発飛行機
写真0-2 2輪ラジコン「スピナー」全景
写真0-3 下部
写真0-4 モータ部分
写真0-5 後部電池部分
1. 部品
No 部品名称 個数 備考
1 ラジコン電動双発飛行機 1 TAIYO 電動プレーン ダッシュエイト(モータが2個付いた飛行機を使用します)モータ、受信機、電池ホルダ、後輪、ニッカド電池、送信機 を流用
2 CD 4 車輪用 2枚車台用 2枚
3 プーリー(L)セット(楽しい工作シリーズNo.141) 1 タミヤ<使用した部品>プーリー(L3、φ50)2個Wブッシュ(2.0W)2個φ1.9ネジ、ナット 4セット車輪となるCDに固定し、モータシャフトに固定するために使用します
ラジコン飛行機からは、モータ、受信機、電池ホルダー、後輪、ニッカド電池、送信機を取り出します。写真1-1~1-6
写真1-1 モータ
写真1-2 受信機
写真1-3 電池ホルダ
写真1-4 後輪
写真1-5 ニッカド電池
写真1-6 送信機
2. 工作手順
2-0.概要
車輪となる2枚のCDの間に、モーター、受信機、電池などの機構部を搭載した車台CDを挟み込んだ構造となります。写真2-0-1、2-0-2写真2-0-1 上面
写真2-0-2 下面
車輪を回転させると、モータ側は反対方向に動こうとします。このため車台CDの後ろ側に後輪をつけて、機体を安定させます。
車台CDへの部品の組み付けは、使用するラジコンによって部品形状が変わってきますので、部品配置などはそれぞれ工夫してください。
2-1.車台CDの加工
車台CDの中心軸を通るようにモータを左右に配置します。その間に受信機を置き、車台部後方に電池と後輪を配置します。部品はCDに穴を開けてはめ込みます。方眼紙にCDの外形を書き、そこに各部品を置いて配置を考え、穴位置などを決めます。写真2-1-1(注意:写真2-1-1の図面は参考例です。使用するラジコン飛行機の部品によって部品の位置や穴形状は変える必要があります)
写真2-1-1 車台CD図面
写真2-1-1の方眼紙の裏にCDを貼り付け、穴を開ける箇所にポンチをうちます。写真2-1-2、2-1-3
写真2-1-2 方眼紙へのCD固定
写真2-1-3 ポンチ打ち
ポンチを打ったところにドリルで穴あけをします。
角穴は四隅をドリルで穴あけした後、リュータで直線切りします。写真2-1-4,2-1-5
写真2-1-4 ドリル穴あけ
写真2-1-5 リュータ直線切り
穴あけが完了した車台CDが写真2-1-6となります。
写真2-1-6 車台CD穴あけ完了
車台部のCDは、1枚だけでは載せる部品でたわみが出たので2枚重ねとしました。2枚目のCDの穴あけは、1枚目のCDから飛び出た部品(今回は、受信機と電池ホルダ)に対して行います。写真2-1-7
写真2-1-7 車台2枚目CD(右側のCD)
CD同士の接着は、1枚目のCDに部品を装着(接着剤で固定せず、CDに差し込むだけ)した状態で2枚目をはめ込み、CD同士を接着剤で固定します。このようにするとCD同士がずれません。
2-2.車台CDへの部品の固定
車台CDができたら、部品を固定していきます。車台CDと部品の位置関係を写真2-2-1~2-2-6に示します。写真2-2-1 車台CD
写真2-2-2 車台+受信機
写真2-2-3 車台+後輪+電池ホルダ
写真2-2-4 車台+モータ
写真2-2-5 車台+全部品(上面)
写真2-2-6 車台+全部品(下面)
車台CDと部品は接着剤で固定していきます。受信機は差し込むだけで安定していたので接着はしていません。(受信機はまた別の製作で流用できるので、接着しないで差込だけにしておいた方が良いと思います)
2-3.車輪の作成
車輪にもCDを使います。パソコンで車輪の模様を作成してCDにプリントすると良いでしょう。渦巻き型のデザインの場合、デザインした画像を左右反転させてもう一枚にプリントすると、両方から見て同じ流れになります。写真2-3-1写真2-3-1 車輪CD(渦巻き)
今回は幾何学的なデザインにして印刷しました。写真2-3-2
写真2-3-2 車輪CD(幾何学デザイン)
車輪CDとモータ軸の接続には、プリーを使用します。車輪CDとプーリー(L3、φ50)の中心軸を合わせて、ネジで固定します。CDのネジ穴位置を写真2-3-3に示します。
写真2-3-3 車輪CD図面
穴あけ方法は、車台部CDの穴あけと同様の方法で行います。
車輪CDの印刷面からネジを入れ、CDの記録面にプーリーを固定します。写真2-3-4
写真2-3-4 車輪CD裏
モータ軸と車輪CDとは、プーリーの中心に差込むWブッシュ(プーリーセットに付属)で接続します。モータ軸径は2.6mmで、ブッシュの穴径には2.6mmに合うものがありませんでした。そこで、モータ軸の先を四角形に大まかにヤスリで削った上で、穴径2.0mmのWブッシュに、2.5mmのドリルで穴径を広げて差込みました。モータ軸を四角形にしたのはブッシュに挿した後で空回りを防ぐためです。写真2-3-5、2-3-6
写真2-3-5 モータ軸とWブッシュ
写真2-3-6 モータ軸とプーリー
2-4.仮組み・試運転
車台上のモータにプーリーを差し込み、電池ホルダに電池を差し込みます。写真2-4-1
写真2-4-1 本体完成
この状態で動作確認をします。車輪CDとプーリーを止めているネジが内側に飛び出しているので、車台部の電線などに引っかからないか確認してください。
3.調整
写真3-1の送信機の左側ステックで速度調整(左右モータを同速回転)、右側のステックで左右回転(左右一方のモータを回転)します。左側ステックを倒して直進させようとすると、スピンするだけで直進しません。これはモータを左右対称に設置するため、車輪が左右で反対方向に回転するためです。これに対応するため、一方のモータの受信機につながるコネクタの電極を入れ替えて、モータの回転方向が逆になるようにします。コネクタを入れ替えてもモータや受信機に悪影響を与えることはありません。直進するときに車台が後方に傾くため、車台下に取り付けた後輪側が、後尾になるようにコネクタを入れ替えるモータを選択してください。写真3-1 送信機
車輪にCDを使用していることと、モータが高速で回転するため車輪がスリップしやすいです。対策としては、CDを2,3枚重ねる、CDの外周にゴム、ビニールテープを巻きつけるなどしてください。
4.送信機のACアダプタ電源化
送信機は単三電池8本を使用します。電池を用意するのが大変なので、ACアダプタで動作するように改造しました。ACアダプタには12VのSW電源を使用します。送信機とACアダプタの接続のため、送信機の側面に穴を開けてジャックを取り付けます。写真4-1、4-2写真4-1 送信機への電源ジャックの取り付け1
写真4-2 送信機への電源ジャックの取り付け2
送信機の電池ボックスの電極と、ジャックの電極を電線で接続します。ACアダプタのプラグ極性を確認して、プラスマイナスを間違えないようにしてください。配線後にテスターで極性確認をすると良いでしょう。
送信機にACアダプタを接続した状態を写真4-3に示します。
写真4-3 送信機+ACアダプタ
室内で使用する場合にはACアダプタでの電源供給の方が電池の消耗を気にする必要が無いので便利だと思います。ACアダプタの電源容量が小さかったり、ACアダプタから出るノイズで送信機が誤動作する可能性もありますので、この点には注意してください。
以上
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