2013年6月29日土曜日

赤外線リモコン送信データの解析


<概要>

mbedのライブラリに、赤外線リモコンからのデータを解析するライブラリ(RremoteIR)があります。このライブラリは、一般的なフォーマットである、“NECフォーマット”、“SONYフォーマット”、“AEHAフォーマット”に対応しています。

これ以外のフォーマットの場合は、波形を解析して、プログラムを作る必要があります。
今回、波形のHi,Lo時間を1[us]単位で測定して出力する処理を”RemoteIR”ライブラリに追加して、”Propo_RemotoIR”ライブラリとして公開しました。
この解析方法を説明します。


<サンプルプログラムで動作確認>


mbedのWebから”irRawDataDisplay”のProgramをダウンロードします。(図1)
http://mbed.org/users/suupen/code/irRawDataDisplay/




図1 irRawDataDisplay  Program Web

このプログラムに入っている、”Propo_RemotoIR”ライブラリフォルダの”ReceiverIR.h”の23行目の”IR_RAW_DATA_ANALYSIS”マクロ定義を有効にして、コンパイルをしてください。このマクロ定義で条件コンパイルして、赤外線データの波形測定処理を有効にします。(図2)



図2 Propo_RemotoIRライブラリ - ReceiverIR.h 変更箇所




 main.cpp 側では、USB-COMの通信速度の設定と、赤外線受信モジュールのポート設定がありますが、main側ではそれ以外の処理はありません。赤外線データの解析とパソコンへの送信処理はすべて、ReceiverIR.cpp/.h で行っています。


mbed側での赤外線受信モジュールの接続方法は図3のようにします。


図3 mbedの接続図

パソコンには、ターミナルソフト(TeraTarmなど)を起動して、COM設定を図4のようにします。


図4 パソコンのターミナルソフトのCOM通信設定


mbedとパソコンとは、USBで接続して、パソコン側はUSB-COMとして認識させます。

赤外線データ(IRC Helicopter “SWIFT”のPropo)の受信データを表示させたところが、図5になります。


図5 赤外線通信波形の解析表示


この解析結果から、通信波形のHi,Loの時間を確認して、信号先頭のリーダーや、データビットの時間幅を推定します。


2013年6月28日金曜日

IRC Helicopter “HonyBee”プロポ送信データ受信mbed用Test Program


<概要>

HonyBeeのプロポから送信される赤外線データを受信、解析するmbed用プログラムを作りました。

<送信データの解析>

こちらのWebにPropoからの送信データの解析記事があります。
http://www.oidenansho.com/pic/26kpic/26k1010tx2_honey/26k1010tx2_honey.htm
送信波形自体は”SONY”フォーマットで1フレーム20bitのデータになります。
(このWebでは、スタートビットを4bitとしていますが、通信フォーマット仕様としては、最初の1bitはヘッダとなり、データは20bitとなります)

通信フォーマットについては、こちらに解説があります。
http://elm-chan.org/docs/ir_format.html


<テストプログラム>

テストプログラムは、下記のWebにおいてあります。
http://mbed.org/users/suupen/code/HonyBeePropoIR_TestProgram/



このプログラムでは、mbedの”p5”端子で赤外線受信信号を受け、解析したデータはUSBでパソコンに送信します。
パソコン側には予めUSBからのデータをCOMデータとして受信するドライバをインストールしておきます。

パソコンでの受信データの表示にはターミナルソフト(TeraTarmなど)を使い、
ボーレート:38400[bps]
データ長:8[bit]
パリティ:なし
ストップビット:1[bit]
の設定で使用します。




mbedの準備
赤外線受信モジュールとmbedは図1のように接続します。電源は、USBから供給します。



図1 mbedと赤外線モジュールの接続

mbedに、プログラム(SwiftPropoIR_TestProgram)をダウンロードします。

main.cpp のファイルヘッダの直下(28,29行目)のマクロ定義で、Propoデータ解析内容を変更することが出来ます。マクロは”PROPO_RAW_DATA”と、”HONYBEE_NORMALIZE”の2つになります。

<プログラムの実行>

1. Propoデータの機能毎のデータ出力
“PROPO_RAW_DATA”、”HONYBEE_NORMALIZE”の両方をコメントアウトしてコンパイルします。(図2)


図2 マクロの設定


Propoからの送信データをmbedで解析して、PC(Treatram)で表示した結果が図3になります。

 図3 TreaTramでの受信データ表示


2. Propoデータの出力を正規化

“PROPO_RAW_DATA”はコメントアウト。
“HONYBEE_NORMALIZE”は有効。
としてコンパイルします。(図4)。データの表示結果が図5になります。



図4 コンパイル条件



図5 データ表示結果




3. Propoデータの生データ
“PROPO_RAW_DATA”を有効、”HONYBEE_NORMALIZE”はコメントアウトしてコンパイルします。(図6)。データの表示結果が図7になります。



図6 コンパイル条件



図7 データ表示結果






<ライブラリについて>

赤外線データ受信ライブラリ
”RemoteIR”ライブラリ(http://mbed.org/users/shintamainjp/notebook/remote_ir_ja/)
を改造した”Propo_RemotoIR”(http://mbed.org/users/suupen/code/Propo_RemotoIR/)
を使用していますが、元のライブラリ”RemoteIR”でも使用できます。
これは、HonyBeeの送信データが”SONY”フォーマットで、”RemoteIR”がこのフォーマットに対応しているためです。
改造した”Propo_RemotoIR”はSWIFTのPropoが送信するデータ受信のための改造と、未知の通信波形を解析するための仕組みも組み込みしてあります。

 <受信データ解析ライブラリ>

“CodecIRPropoHonybee”ライブラリを新作しました。”Codec”となっていますが、現状は受信解析(Decode)のみの対応です。


2013年6月26日水曜日

IRC Helicopter “SWIFT”プロポ送信データ受信mbed用Test Program

IRC Helicopter “SWIFT”プロポ送信データ受信mbed用Test Program


<概要>

SWIFTのプロポから送信される赤外線データを受信、解析するmbed用プログラムを作りました。

<テストプログラム>

テストプログラムは、下記のWebにおいてあります。
http://mbed.org/users/suupen/code/SwiftPropoIR_TestProgram/




このプログラムでは、mbedの”p5”端子で赤外線受信信号を受け、解析したデータはUSBでパソコンに送信します。
パソコン側には予めUSBからのデータをCOMデータとして受信するドライバをインストールしておきます。

パソコンでの受信データの表示にはターミナルソフト(TeraTarmなど)を使い、
ボーレート:38400[bps]
データ長:8[bit]
パリティ:なし
ストップビット:1[bit]
の設定で使用します。






<mbedの準備>

赤外線受信モジュールとmbedは図1のように接続します。電源は、USBから供給します。



図1 mbedと赤外線モジュールの接続

mbedに、プログラム(SwiftPropoIR_TestProgram)をダウンロードします。

<プログラムの実行>

main.cpp のファイルヘッダの直下(28,29行目)のマクロ定義で、Propoデータ解析内容を変更することが出来ます。マクロは”PROPO_RAW_DATA”と、”SWIFT_NORMALIZE”の2つになります。

1. Propoデータの機能毎のデータ出力

“PROPO_RAW_DATA”、”SWIFT_NORMALIZE”の両方をコメントアウトしてコンパイルします。(図2)



図2 マクロの設定

Propoからの送信データをmbedで解析して、PC(Treatram)で表示した結果が図3になります。



図3 TreaTramでの受信データ表示


2. Propoデータの出力を正規化
“PROPO_RAW_DATA”はコメントアウト。
“SWIFT_NORMALIZE”は有効。
としてコンパイルします。(図4)。データの表示結果が図5になります。



図4 コンパイル条件




図5 データ表示結果




3. Propoデータの生データ

“PROPO_RAW_DATA”を有効、”SWIFT_NORMALIZE”はコメントアウトしてコンパイルします。(図6)。データの表示結果が図7になります。



図6 コンパイル条件



図7 データ表示結果





<ライブラリについて>

赤外線データ受信ライブラリ
”RemoteIR”ライブラリ(http://mbed.org/users/shintamainjp/notebook/remote_ir_ja/)
を改造した”Propo_RemotoIR”(http://mbed.org/users/suupen/code/Propo_RemotoIR/)
を使用します。
これは、SWIFTのPropoが送信する赤外線通信波形が一般的なものではなく”RemoteIR”ライブラリでは受信解析できなかったためです。今回の改造に合わせて、未知の通信波形を解析するための仕組みも組み込みました。

受信データ解析ライブラリ
“CodecIRPropoSwift”ライブラリを新作しました。”Codec”となっていますが、現状は受信解析(Decode)のみの対応です。


2013年6月16日日曜日

IRC ヘリ “SWIFT”のPropoデータ解析

IRC ヘリ “SWIFT”のPropoデータ解析


<概要>

東京マルイ のIRCヘリ“SWIFT”のプロポ信号を解析しました
http://www.tokyo-marui.co.jp/products/rcirc/helicopter/6001


<通信フォーマット>

(受信回路側での測定)
・ 単位時間:T=350[us]
・ リータ:10T+3T
・ データ:32ビット固定長
・ データ:1T+2T(ビット0),  2T+1T(ビット1)
・ ストップビット:1T(Low Level)
・ 送信順序:LSB fast
・ 送信間隔:60[ms], 160[ms]

<プロポの動作について>

プロポの左側ステックを操作している間は赤外線信号を出力する。
送信間隔は、送信データに変化が無い場合は160[ms]、ある場合は60[ms]となる。




図1-1 赤外線通信のフレームとタイミング構成




図1-2 赤外線通信 データ構成




図1-3 データ割付




図1-4 パリティ計算

パリティ計算では、DATA0~DATA2の下位6bitが対象となっている(上位2bitは無視)