iModelaでアクリルキーホルダ(漢詩)
<概要>
前回、アルファベット(ドイツ語)のキーホルダを作りました。今度は漢字(漢詩)のキーホルダを作ります。
<道具・材料>
道具・材料は前回の、アルファベットのキーホルダと同じです。
<作り方>
今回も、切削データ作成・切削をWINSTAR Craft for iModelaで行います。
作業順序は、
A.文字面の加工
A-1.文字切削1回目
A-2.文字切削2回目
A-3.穴切削
A-4.外形カット
B.合わせ面の加工
B-1.穴切削
B-2.外形カット
B-3.接着剤進入防止溝切削
となります。
データの作成方法、切削方法は、アルファベットキーホルダと変わりませんので、作業のポイントだけを紹介していきます。
A.文字面の加工
A-1.文字切削1回目
今回作成する漢詩は五言絶句(4行5文字)で題名を入れると5行になります。
iModela Craft for iModelaでは、一度に切削できず、3行づつに別けて切削します。
このため、題名と、1行空けて本文1行を切削して、その後で本文3行を切削します。
切削工具は、エンドミル60°を使用します。
刃物径:0.1[mm]
フォント:HG正楷書体-PRO
スタイル:標準
塗りつぶし:チェック
文字高:5[mm]
文字幅:5[mm]
間隔:2[mm]
で設定しました。これで一度データを作り、1行の長さを確認します。本文の1行5文字が一番長く、25.00[mm]になりますので、外形はこれより一回り大きくする必要があります。この外形と、2回目に描く文字領域も考慮して、切削の中心位置を決める必要があります。
各工程でのデータの中心位置の決定は、図面を手書きした方が早いです。
中心位置を決めて、最初の文字群を設定したら切削を行います。中心位置の設定はWINSTAR Craft for iModela ではなく、iModela Controllerで行った方が、現在位置を数字で表示できるので良いです。
データ設定が終わったら、切削を行います。
切削幅:0.1[mm]
切込み深さ:0.05[mm]
仕上げ加工:チェック
の設定にして加工しました。
A-2.文字切削2回目
次に後半の3行の文字データの設定を行います。
文字以外の設定は、1回目と同じです。
切削データの中心位置は1回目と2回目の文字群の間に2[mm]空きが出来るように設定します。
切削は1回目と同じ設定で行います。
A-3.穴切削
切削工具はルータの1[mm]を使用します。
刃物径:1.0[mm]
穴の幅:3[mm]
穴の高さ:3[mm]
の設定で、中心位置を決めて設定します。
切削条件は、ルータ1[mm]で、2[mm]厚のアクリルを使ったので、
刃物径:1[mm]
切削幅:1[mm]
切込み深さ:2[mm]
仕上げ加工:チェック
で行いました。
A-4.外形カット
切削工具は、穴加工と同じ、ルータ1[mm]を使います。
幅:50[mm]
高さ:30[mm]
の設定としました。この寸法は、掘り込んだ文字を囲い込み、更に1~2[mm]の外周を持つ寸法にします。
切削の条件は穴加工と同じです。
これで、文字面の加工は完了です。
B.合わせ面の加工
B-1.穴切削
次に、文字面とあわせる面の加工を行います。
穴切削は、文字面のA-3と同じデータ設定と加工になります。
B-2.外形カット
外形カットも、文字面のA-4と同じ加工になります。
B-3.接着剤進入防止溝切削
この加工は、外形カットの内側に溝を掘ります。これは、接着剤が、溝より内側に入らないようにするためのものです。アクリル接着剤はアクリル板をあわせた隙間に入り込んで行きますが、全面に行き渡らず気泡が残ります。こうなると見栄えが悪くなるので、接着剤は、外形端面から1,2[mm]内側までで止まるようにします。このためには、接着面の片方に接着剤の侵入防止用の溝があればよく、このために外形に沿って溝をつけます。
使用する切削工具は、エンドミル60°(文字を切削したときの工具)を使います。
刃物径:0.1[mm]
幅:47[mm]
高さ:27[mm]
の設定としました。外形の寸法から各辺、1.5[mm]内側に溝をつける設定にしています。
切削は、
切削幅:0.1[mm]
切込み深さ:0.1[mm]
仕上げ加工:チェック
の設定で行います。
これで、切削加工は完了です。
次に、アクリル板の接着を行います。
接着面の埃や汚れを取ります。傷が有る場合は、サンエーパールなどの研磨剤で磨いておきます。接着面を合わせて、洗濯バサミなどで仮止めして、合わせ面に接着剤を流し込んでいきます。
接着が完了したら、ヤスリで面取りを行い、研磨剤で全体を磨き完成です。